食品業界システム導入事例：水産物（生鮮魚介類）仲卸業｜三栄水産株式会社様　システム導入事例

柔軟なカスタマイズで特殊業務に対応。いつでも見てもらえるサポートに安心。

導入の背景

サポートに頼れず、恐る恐る使っていた前システム。

築地で創業63年目となる老舗仲卸の三栄水産。国内外の多種多様な海老をメインに、魚介類約300商品を扱っている。2011年12月、20年以上利用していた基幹システムから、アイルの基幹システム「アラジンオフィス」に移行した。

「前のシステムは老朽化していた上に、システムに振り回されている感があった」と、商事部の石田賢司氏は振り返る。ハードディスクの故障で毎月のデータを保存できず、月末に印刷していた。大量の資料を印刷するため、倉庫は40箱ほどの資料の段ボールで埋めつくされていた。データの更新や元帳の出力には数時間かかり、プリンターが故障することもあったという。

サポートサービスは、システム会社が委託している別会社から受けていた。しかしスムーズに解決してもらえず、サポートがない状態と変わらなかった。伝票が出なくなってしまったときは、原因がわからず頭を抱えたという。何かあったときの不安は大きかった。システムのことを把握していない社員も多く、故障を恐れて気軽に触れなかったという。

導入の決め手

独自の業務に対応できるシステムを検討。

前システムのリース切れに伴い、複数のシステムを検討。業務にフィットした機能性と安心できるサポート体制を重視した。石田氏は「他社は機能が複雑で使いこなせないと感じた。業務をシステムに合わせる必要があった」と話す。三栄水産は、販売単位がキロや本・枚など商品や顧客によって異なる。決済日が決まっていない「今度払うね」という売り掛けも日常的だ。これらは従来から続けてきた業務スタイルだが、他社のシステムでは対応が難しかった。

アイルの「アラジンオフィス」は水産業界の商習慣に対応でき、請求・支払管理や販売単位の複数設定などが可能。「水産業界をよく研究しており、アイルしかないと思った」と石田氏は話す。石田氏とともにシステム導入を担当した高野秀貴取締役は、「アイルの営業担当者は、業務内容を理解して難しいこともわかりやすく説明してくれた。適切な提案やアドバイスが決め手になった」と振り返る。アイルは開発から提供、サポートまでトータルで行っているため、ユーザーからの問合せにスピーディに対応できる。何かあったときに、サポートダイヤルにかければ遠隔操作で解決してもらえる安心感もあったという。

導入の効果

柔軟なカスタマイズにより、顧客の要望にも幅広く対応可能に。

高野取締役は「導入前はとことん話し合った。要望に対し柔軟に対応してもらえたので、人がシステムに使われるのではなく、人がシステムを使いこなせるようになった」と表情をほころばせる。「アラジンオフィス」は販売単位を自由に変更できるため、「箱売りの商品の中から数本だけ売ってほしい」という要望にも対応できる。顧客に合わせた対応を大切にしている三栄水産。顧客が求める販売単位や決済日にシステムが対応できることで、サービスの質を下げることなく効率的に運営できている。

資料の出力やデータの更新などに多大な時間を費やしていた月末締め作業は、「日次業務と変わらないくらいに効率的になった」と石田氏。毎月のデータも保存でき、月末の資料印刷は不要になった。作業時間は1日2時間ほど短縮できたという。倉庫を埋めつくしていた40箱の資料段ボールも、10箱ほどに削減できた。

困ったら聞ける心強さから、気軽にシステムを活用。

不明点があっても、サポート担当者に遠隔操作で見てもらうと素早く解決する。何かあっても見てもらえる安心感から、システムを気軽に触れるようになったという。石田氏は「サポートは心強い。今ではもうサポートなくしては考えられない」と実感を込めた。

導入前の要望はほぼ反映できた。使い慣れていた前システムの仕様を大幅に変更せずに済み、入力や確認がしやすい。システムや帳票の書式も、担当者が扱いやすいように工夫した。全社員が読みやすいよう文字サイズも変更。細かい設定にもこだわったことで、後から要望が出ることのない、長く利用できるシステムを構築できた。

高野取締役と石田氏は「今後もよりよい商品やサービスを追求し、提供していきたい」と口をそろえる。堅実で前向きな姿勢、動くと決めたときの思い切りのよさが特徴の三栄水産。「アラジンオフィス」の詳細なデータを活用しながら、一歩先を見据えた事業展開に注力する。

※記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。

水産経済新聞社提供（2012年9月20日/水産経済新聞掲載）