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FAX廃止とデータ活用により攻めの体制を確立
ITで業界の常識に風穴を開け、持続可能な成長を目指す
導入の背景
時代の変化に応じたさらなる効率化を求め、20年以上アイルを利用
大阪府内43市町村および国・府・私立学校向けに学校給食用の食材を提供し、給食を通じた食育を支援する、公益財団法人大阪府学校給食会。
「基幹物資」と呼ばれる米・パン・牛乳とあわせて、調味料や缶詰、冷凍食品などの「一般物資」を各学校等に提供し、未来を担う子どもたちの健康を支えている。
同社がアイルのシステムを初めて導入したのは、今から20年以上も前の2001年6月のこと。
紙での販売・在庫管理が一般的だった時代、普及し始めていたパソコンでの処理に対応すべく、一般物資の管理に「アラジンオフィス」の前身システムを導入したのが始まりだった。
その後2007年には基幹物資の管理にも展開を広げたことで、大胆な業務効率化を推し進めていた。
そして2019年、さらなる効率化を図るため、改めて販売・在庫管理システムの公募型プロポーザル(※)を実施。アイルの旧システムから、現「アラジンオフィス」への更新が決定した。
※地方自治体などが業務を外部委託する際、複数企業のうち最も優れた提案をした企業を発注先として選定する方式。
導入の決め手
業界の特殊性への対応力と将来性に魅力
アイルと再契約したのは、給食業界という特殊性の高い分野に対応できるのが「アラジンオフィス」しかないと感じたのが理由だという。
荒木事務局長は、「特にパンに関する管理は特殊で複雑。アイルさんには旧システムの時代から、かなり細かな部分まで無理をお願いしていました。その甲斐あって、当会にとってかゆいところに手が届く有益なシステムができました。これだけ独自性の高いものは、他社には真似できないと思います。導入後も引き続き細かく対応してもらっていて、非常に助かっています」と振り返る。
旧システムからスムーズに切り替えができるうえ、アイルが提供するサービスを組み合わせることで、より幅広い使い方ができるようになると提案を受けたことが導入の判断を後押ししたという。
導入の効果
受注データの手入力作業がなくなり、業務量は1/3に削減
「アラジンオフィス」の導入後、受注業務のFAX利用を見直したことで業務が削減された。
システム関係を統括する植木課長は、「以前は自治体からの受注がすべてFAXだったので、システムへの手入力が必要でした。『アラジンオフィス』導入後は市町村の協力を得て、Excelの注文票に入力してもらう形式に切り替えました。現在は、受領したExcelデータをシステムに取り込めるので、商品や数量などの注文情報をシステムに手入力する手間が省け、入力ミスも大きく減りました。3人掛かりだった業務が1人で可能になったと思います」と話す。
受注業務が効率化されたことで、在庫管理や請求業務に割いていた時間・マンパワーの一部を、市町村への営業や新たな物資の開発など、業績アップに直結する業務にあてることができるようになった。
データ活用によって売上向上や戦略の策定を目指す
もう1つの効果は、集計作業の時間削減だ。「『アラジンオフィス』の導入で集計作業がスピーディーになりました。精度の高いデータを抽出できるので、統計資料の作成も従来と比べるとはるかに簡単です」と植木課長は話す。
市町村における給食無償化の広がりを受け、給食業界をめぐる環境は大きく変化している。市町村はよりリーズナブルな仕入先を探すなか、公益法人である同会も民間業者との競争にさらされる場面が増えてきた。今後組織として発展していくためにも、「アラジンオフィス」で抽出するデータを基にした戦略立案の重要度は高い。
「給食無償化によって給食に関する収支が公会計化した結果、毎年市町村が食材の仕入先を一般競争入札で決定するようになりました。そうすると、これまで食材を当会から仕入れていた市町村が、突然購入しなくなることもあります。理由を知るには数字の分析が不可欠ですから、ここでも『アラジンオフィス』が役に立つ。今後の戦略や施策を決めるのに、分析データがいかされているというわけです」(荒木事務局長)
3つの組織でデータを一元管理。プロセス全体の業務効率を底上げ
「アラジンオフィス」の導入効果に手応えを感じた同会は、2022年、主要取引先である「大阪学校給食パン・米飯協同組合」および、所属する20を超える「加工工場」とも連携して「アラジンオフィス」を導入した。
3つの異なる組織間でデータを一元管理することにより、これまで手書きだった「配送指示」「発注書」「請求書」などの伝票をシステムから発行できるようになった。作業時間の短縮と記入ミスの削減につながっている。
「パンやご飯の希望食数に関しては、学校から工場へ直接依頼されます。今までは各校からバラバラに来たものを工場で手入力していましたが、『アラジンオフィス』導入後は、工場側で独自に組んだフォーマットに入力してもらうようにしました。当初はITツールの導入に戸惑いが見られた方々も、次第にその便利さを実感しはじめ、前向きに評価してくれるようになってきました」(植木課長)
組合や工場とのすり合わせは、決して平坦な道のりではなかった。「まず、組合側とシステムの話ができるようになったことに大きな意義があります。工場と業務効率化に向けて、ある程度共通の意識を持てるようになったのも大きな成果ですね」と植木課長は力を込める。
3つの組織がシステムを通じて連携を深めることができれば、給食を取り巻く環境が変化しても、より柔軟に対応できる道が開ける。
今後の展望
BtoB受発注システム「アラジンEC」導入も準備。さらなる業務変革へ
同会の次の一手が、2027年の本稼働を目標に進めているBtoB専用ECパッケージ「アラジンEC」の導入だ。実現できれば、市町村からの発注がオンライン上で可能になり、取引先・同会双方のさらなる業務効率化が見込まれる。
「府下の市町村において当会から購入いただいている割合は、パンはほぼ100%、お米は約80%を占める一方、おかずの割合には伸びしろがあります。システム導入によって生まれる余剰のマンパワーを、攻めの営業活動にあてていきたいですね」と荒木事務局長。その視線はすでに変化の先を見据えている。
少子化が進行するなか、今後も児童・生徒数が減少し、学校の小規模化は加速していく可能性がある。
「学校給食業界を取り巻く環境は、決して楽観視できる状況ではないですが、つい最近まで多くの業務がアナログだったからこそ、改善の余地がたくさん残されています。今こそ行政側がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくことで、学校給食を守っていきたいと考えています」と荒木事務局長。
ルールや法律に縛られることの多い公共性の高い業界にあって、先駆的な取り組みで業界の常識に風穴を開けた大阪府学校給食会。その挑戦に、各都道府県の学校給食会からも熱い視線が注がれている。
同会は、「アラジンオフィス」「アラジンEC」という2つのITツールを駆使して、未来ある子どもたちのために「食のインフラ」を支えていく。
※ 記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。
アイルの担当者紹介
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食品プロジェクトチーム
井邊 隆博
会社概要
会社名 | 公益財団法人大阪府学校給食会 |
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代表者 | 大下 達哉 |
所在地 | 大阪府大阪市中央区大手前2丁目1-7 |
設立年 | 1957年 |
URL | https://www.oskz.com/ |
導入しているシステム
その他の事例
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Webからの資料請求・お問合せ
アイル営業より
2001年から「アラジンオフィス」の前身である弊社のシステムをご活用いただいており、前システムがお客さまの業務に沿って作り込まれていることから非常にご満足いただいておりました。
今回システム入れ替えのご提案をさせていただいた際は、大阪府学校給食会さまが公益財団であり通常の企業とは異なる常識・考え方であることや、日頃「アラジンオフィス」を使用されていない理事の方々にどのようにご説明すればご理解いただけるだろうかということに知恵を絞りました。
得意先である学校からの注文がFAXで届き、さらに締め切り直前まで内容の変更があることにより、受注入力作業に手間がかかっていることに課題を感じておられました。
お客さまから学校に要請していただき、Excelフォーマットでの注文に移行して「アラジンオフィス」へのExcel取込を実装できたことにより、業務効率を高めることができました。
お客さま自身も「現状の業務をより良くしよう」と考え続けておられ、それに対してシステムで解決できることをご提案・カスタマイズで実装し、お客さまと一緒に作り上げることができました。
今回のシステム導入を通じて、弊社だけの力ではなく、お客さまにもシステム導入に前向きにご協力いただくことができれば、より良いシステム稼働につながるのだと実感しました。
今後も、次なるステップの“市町村からの受注をWebで受ける構想”の実現や、学校給食業界全体のデジタル化を後押しすべく他府県の給食会にもご提案できるように尽力していきたいと思います。
(システムソリューション部/井邊)