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Special Interview
メンズ・レディースアパレルの製造・インポート卸・販売を行うゲストリストは、直営店「HAUNT」やECサイト、セレクトショップへの卸販売で着実に売上を拡大。デニムブランドの「RED CARD」など、お洒落に敏感な層から厚い支持を受けている。
同社は2015年から、アイルの販売・在庫管理システム「アラジンオフィス for fashion」、店舗管理POSシステム、さらに工場・倉庫・店舗にRFIDを導入。正確な業務管理と、迅速な出荷・検品を実現した。
しかし、年4回の展示会における受注業務は手作業が多く残っており、営業活動に専念できない課題があった。そこで、バイヤーからFAXなどで受けていた受注を、BtoB ECで可能にすべくアイルに相談。BtoB ECシステム「アラジンEC」のファッション業向けパッケージをベースに、自社専用BtoB ECをアイルと共同開発した。
「アラジンEC」が本格稼働して約3年(2020年1月時点)。現在同社は、バイヤーのECオーダー率100%を誇り、以前の受注入力作業が不要になった。
以前の課題や、現在の具体的な業務状況、システム開発にいたるまでの苦労や工夫などを、同社に伺った。
展示会後に一週間かけていた受注集計・入力作業がゼロに
以前はどのように展示会の受注対応をしていたのですか?
Retail Manager 亀田氏(以下、亀田氏)
バイヤーさんからFAXでオーダーをいただいていたので、全てシステムに手入力していました。間違いがないよう、2人組で一週間かけて、受注内容のサイズと数量を読み合わせてから入力していたのです。
現在はその作業がゼロになったので、展示会の受注締日にすぐ発注作業に取り掛かれます。ミスも減りました。
取引先にとっても展示会オーダーの仕組みが変化しましたが、何か反応はありますか?
亀田氏
商品画像がEC上で見られるのはとても便利だと思います。アパレルの展示会は、バイヤーさんが帰社後に検討することも多いため、展示会会場で商品の写真をたくさん撮影されます。今は、「アラジンEC」から商品画像を確認していただけるので、撮影が不要になりました。結果、バイヤーさんの展示会滞在時間が短縮されて、当社の営業担当者の対応時間も短縮されましたから、双方で展示会対応がスムーズになりましたね。
Chief Of Distributor 小林氏(以下、小林氏)
遠方で直接お越しいただけない方もいるので、EC上で商品画像を詳細に見ていただけるのは良いですね。 「お気に入り」機能も好評です。展示会会場で、バイヤーさんがタブレットを利用して、EC上の検討商品にチェックを付けられるので、帰社後にチェックをつけた商品のみを確認できるようになっています。
「アラジンEC」と「アラジンオフィス」の連携で、受注から生産までが一元管理
「アラジンEC」を、既存の販売・在庫管理システム「アラジンオフィス」と連携されています。
亀田氏
受注から生産までが一元管理されました。それぞれの数字集計も不要で助かります。各フェーズで自動化できるところはカスタマイズしたので、一連の流れがスムーズになりましたね。
例えば、展示会で受注した商品の中で、最小受注数を下回って生産に回らないものがあった場合、その商品をオーダーされていた取引先に送るメールを、自動で送信可能にしました。以前は手作業でお送りしていたので、楽になりましたね。
「アラジンオフィス」からは、展示会に関わる下げ札などの物品発注書も一括で発行できます。
小林氏
取引先への在庫配分も自動化されました。例えば、デニムを100本オーダーいただいたとして、90本しか在庫がないとなったとき、不足分をどこの取引先分から減らすのか、一度「アラジンオフィス」で自動振分してくれるのです。現在はその確認だけで済むので、作業が減りました。
ここからは、「アラジンEC」をアイルと共同開発した背景や、今後の展望などを、
アイル営業担当との対談形式で伺います。
なぜアイルからのシステム導入を決められたのですか?
Chief Operating Officer 菊島氏(以下、菊島氏)
いろいろなシステム会社さんを見ましたが、自分が描く理想を叶えられるシステムはどこにもありませんでした。自社の業務に合わせるには、かなり作りこまないといけない。そうなると、決め手はコストパフォーマンスと「人柄」でしたね。アイルさんとお話をさせてもらうなかで、営業の方がしっかりしていて話が通じ、一緒に作りこめる相性の合う会社さんだと信頼できました。
アイル営業 鵜ノ澤(以下、鵜ノ澤)
ありがとうございます。菊島さんの描く未来像がとても具体的だったので、当時のパッケージシステムでは叶えきれないご要望でしたが、一つ一つ機能に落とし込めるよう念入りに打ち合わせを重ねましたね。
追求した「バイヤー目線」により、ECオーダー率100%を実現
鵜ノ澤
「アラジンオフィス」の導入と並行して、「アラジンEC」の開発に取り掛かりましたね。
菊島氏
バイヤーさんの目線を重視して、実際にお客さまにもご意見をいただきながら画面をつくっていきました。バイヤーさんに毛嫌いされてしまうと、我々もアナログに戻さなければいけなくなります。我々のエゴにならないよう、バイヤーさんの使いやすさを追求しました。
鵜ノ澤
打ち合わせは一貫して、「お客さまのために」がテーマでしたね。完成までは、2年ほど掛かりました。
菊島氏
正直、とても大変でした(笑)通常業務に加えて、週1日のペースでシステムの打ち合わせがありましたから。でも、希望がありましたし、鵜ノ澤さんと、内山さん(アイル/システムエンジニア)のお陰で、最後までやり切れました。思いつきで要望を言っても、先を見据えてエラーの可能性を瞬時に判断してくれる。持ち帰るロスタイムがないスピーディーな対応に助けられました。
鵜ノ澤
まさに、両社二人三脚でここまで作り上げてきた実感があります。この時間のお陰で、当社にとっても、ファッション業向けの「アラジンEC」パッケージの機能を強化することができました。
現在は、「アラジンEC」経由での展示会オーダーはどれくらいですか?
菊島氏
今は、ECオーダー率が100%です。それも、特別な普及活動をしたというより、あれだけ使いやすさを追求したシステムだから、バイヤーさんに自信を持って勧められたというのがあります。一度触っていただくというのが大切なのです。ワンタッチで金額が出るので予算管理も楽ですし、オーダー商品一覧のExcelや画像のダウンロードもできます。バイヤーさんにとっても確実に便利です。
システム化がスタッフの精神的負荷を減らし、良い人材の確保につながる
鵜ノ澤
バイヤーさんの業務だけでなく、ゲストリスト様の業務も効率化されていますが、実感はいかがですか?
菊島氏
営業の仕事はすごく減りましたよ。展示会は会社の収益を左右しますから、ミスが許されないプレッシャーを背負っています。それなのに、今までは展示会終了後も一週間、集計作業でミスのできないストレスがあったのです。
今は展示会時の営業活動に集中できますから、物理的な業務量だけではなく、精神的にも負担が減りました。売上も伸びていますね。
鵜ノ澤
業務や気持ちに余裕ができれば、新しい施策もできるようになりますね。システム化の効果は、物理的なことだけではないと思います。
菊島氏
元々、私がなぜシステムにこだわるかというと、夢を見て入社してくれた人材が、もし紙の伝票だらけの現場を見たら、「伝票作業で人生が終わってしまうのかな」と不安になると思うのです。「この会社は遅れているな」と感じさせてしまったら、良い人材はどんどん去っていきます。私自身にそういう経験もありましたから、その思いを仲間にさせたくなかったのですね。
だから、ゲストリストのシステム環境は整えたいとずっと考えていました。今、それが実現できたことを本当に良かったと思っています。
週休3日制を目指し、より理想の業務環境へ
鵜ノ澤
より業務を効率化させて、週休3日制を目指すというお話もお聞きしました。そこにもやはりシステム活用は不可欠になりますか?
※2021年に週休3日制を実現されました。
菊島氏
不可欠です。経営者は、人件費をいかに抑えて利益を出すかを考えます。業務が人力であれば、当然人数も必要になり、休みもとれません。自動化できるところを自動化し、業務が効率化されて利益を確保できれば、社員に還元できます。結果的に、社員の豊かな生活につながるのです。
鵜ノ澤
逆に、効率化を求めずに、あえて残すアナログな部分はありますか?
菊島氏
感性の機械化は難しいですから、トレンドの把握や商品の企画は人の頭で考えていきます。アイディア・発想力を持った人材が大切です。逆に言えば、それ以外は全てシステム化できるのではと思っていますね。
鵜ノ澤
現在も、次のステップに向けてシステムのご相談をいただいていますが、ゲストリスト様の理想の業務環境と、ゲストリスト様のお客さまにとって最適なビジネスの形を実現し続けていくために、今後も一緒に取り組ませてください。
※記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。