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「アラジンオフィス」導入で、売上、受注、製造を一元管理。製造小売としての仕事の成果が見える仕組みを実現。
バッグなどの革製品を職人たちが手作りで製造、販売する東京のHERZ。売上や受注管理とともに必要だったのが、製造を複数の自社工房に振り分けられる機能だ。HERZならではのカスタマイズに応えたのが、アイルのファッション業向け本部管理システム「アラジンオフィス」。商品の売れ筋も見えるようになったことで、現場のモチベーションアップも実現している。
導入の背景
売上、受注管理に加えて、製造指示の振り分け機能も
1973年の創業以来、手作りの革製品を作り続けてきたのが東京渋谷区のHERZだ。天井の高い開放的な本店を覗けば、書類をしっかりと収められるビジネスバッグや、旅行にぴったりの円筒形のボストンバッグ、カジュアルなショルダーバッグ、ポーチや財布、ペンケースまで、オリジナルの数々が並べられている。中でも存在感がある厚めの革を使ったクラシックバッグ。一度手にしたら手放せなくなるこだわりを感じさせる逸品だ。
現在、HERZは東京都内に4店を展開するが、そのほか仙台、大阪、博多(工房)に店舗・拠点を構える。自社のECサイトでの販売も行い、扱う製品は型数で約千、色数を入れれば全部で5000SKUに及ぶ。注文に応じてオリジナル製品に仕上げるカスタムオーダーも可能だ。店には工房が隣り合う形で設置されているのが特徴で、商品を陳列する棚の向こうに、エプロン姿の職人たちが加工台やミシンを行き来しながら忙しく働く姿を見ることができる。
「商品点数は増え、受注も増加、また、店数も増やさなければならない。このままでは管理し切れないと、新しいシステムの導入を検討しました」。2年前の状況をこう語るのは、CFOと経営企画を兼任する久保順也さんだ。
質へのこだわりのある男性客を中心に高い支持を得ていた同社のバッグ類だが、リュックやポーチ類などが女性客にも人気を呼び売上は大きく伸びていた。一部の品は卸していたが、直営比率を上げようと2011年3月には大阪店を、2012年11月には仙台店を出店し、2014年1月には都内の店のうち2店を統合して本店を新たに出店した。
2年前はちょうどその店舗展開の準備におおわらわの時、売上も注文も急増する中、追いついていけなかったのが管理だ。以前から導入していた業務管理システムは本部のみが使い、他店は売上情報をエクセルで集計して本部へ送るという手作業での対応だった。
全店統一して売上も受注も管理したい。もうひとつHERZならではの機能も加えたかった。
「(各店で)注文を受けますが、品物によっては作ることができる職人が限られています。受注データを本部で集計した後、製造できる店できない店を把握しつつ、製造を各店に振り分ける必要がありました。その手間が本当に大変でした」(久保さん)
全店で職人は40人ほどにのぼる。どの品をどの店で作ることができるのか。確認しながら各店での受注を本部で振り分け、同時に各店での作業が偏らないよう調整する必要もあった。だが、以前はそれもエクセルで管理しており、手作業が交じるため、どうしても漏れやミスは免れない。また、製造指示した後、製品がいつ出来上がって来るのかは、改めて店舗に問い合せなければわからなかった。
各店に製造指示を振り分け、管理する機能がほしい。ただし、本格的な製造業の生産管理システムは必要ない。独特の業態となっていた同社ならではの要求に応えたのが、アイルの「アラジンオフィス」だった。
導入の決め手
必要な機能を盛り込みつつ、シンプルで使いやすいインターフェースで
「アラジンオフィス」の採用を決めたのが2013年の初夏。要望への柔軟な対応力に加え、アイルの営業担当者とエンジニアは密に連携をとれていることがポイントだった。
各店での売上はもちろん受注データは即座に本部に集まり、それをもとに本部では画面上で製造を各店へ振り分ける。商品データにはあらかじめ、作ることができる店、できない店の情報が入っており、画面上でも区別がつく。製造可能な店を選べば、各店ではそれを職人リーダーが確認する。リーダーは店の職人の顔ぶれを思い浮かべながら仕事を振り分けていく。
「機能は盛り込みたい。でも、あれもこれもとなってしまうと使うのにたいへんです。機能性と使いやすさのバランスが問題でした」(久保さん)
職人リーダーはシステムになじみのない人もおり、画面上での作業が返ってストレスになりかねなかった。入力はチェックを入れるだけ、というように可能な限りシンプルな操作のインターフェースを心がけた。
導入の効果
2014年春、まだ、新本店立ち上げの慌ただしさが残る中、独自にカスタマイズされた「アラジンオフィス」が稼働し始めた。
どの店舗で何を作るのか。本部では、全店への指示状況を俯瞰しながら、作業量の調整を簡単にできるようになった。各店ではいつ製品が出来上がるのか、一覧で見ることができる。
「どの店舗で何が売れているのか。それを全て見るのに半日はかかっていたのが、すぐにわかるようになりました。以前は他店での販売状況が見えなかったので、成果がわかるようになり職人たちに喜んでもらえます」と久保さん。
システム導入の直接の目的は管理業務の効率化だが、久保さんは以前から、働く人たちのやりがいを高める方法を模索していた。「アラジンオフィス」が稼働して、売れ筋や新作の販売状況は即座にわかるようになった。それを製造した店の職人たちに知らせれば、確かな手応えが感じられるようになった。それがシステム導入の一番の成果ではないかと久保さんは語っている。
「『夏はこの製品が売れるのでは』 などの販売計画も感覚的で、かつその仮説に対する売上実績の検証も曖昧でした。でも、いまは仮説立てやその検証をすぐにデータをもとにして行うことができます」(久保さん)。“ファクト”の裏付けがあれば、やるべきことは明白になりすぐに動き出せる。
今後の展開
生産管理もシステム化し、次のステージへ
今後はO2O(Online to Offline)の顧客管理をスタートさせる予定だ。毎月DMを発送する店舗顧客は約4千名、急伸するECサイトの会員は数万人に及ぶが、いまは特別な管理はしていない。店舗利用客には年間100万単位の買い物をしてくれる人もいる。「アラジンオフィス」に、アイルが提供しているポイント・顧客管理ソフト「CROSS POINT」を連動させれば、店舗会員とEC会員のポイント・顧客情報を一元管理できる。
売上、受注、製造管理は「アラジンオフィス」の導入で大きく進んだ。40年以上に及ぶ手作りへの信頼感に支えられてきたHERZだが、いま同社が最も力を入れたいのが直売だ。店舗展開もそのためのものだ。顧客のために何ができるのか。小売としての新たなHERZが動き出そうとしている。
機能と使いやすさのバランスを工夫しました
独特な製造小売であるHERZ様の業務を理解することが、最初のポイントでした。
本格的な製造業としての生産管理システムは要りませんが、ECサイトと各店で受ける受注をいったん本部で集計し、各店へ製造指示を振り分ける必要がありました。製品によって、作ることができる職人さん、店舗は決まっていますし、各店の製造可能な上限も異なります。それがすぐに把握できて、各店へ簡単に振り分けられる。そんな機能を加えました。
一方、そのデータを受け取るのは、各店の職人リーダーの方です。システムは実務に忙しい方にとって負担なく操作できるものでなければなりません。複数の処理を1度の入力で可能にし、直感的に操作できる、そんなインターフェースを工夫しました。また、職人リーダーが受けた製造の仕事を、店の職人に振り分けるためのシートは、データをエクセルに変換してプリントアウトして書き込むようにしました。
何もかも機能をシステムに詰め込めば操作は複雑になるだけです。従来のような手作業の部分を残しつつ、大幅な効率アップを目指しました。
HERZの担当者の方といっしょに、いろいろと工夫を重ねて構築していった経験は、本当に楽しく印象深いものでした。
(ファッションプロジェクトチーム/鵜ノ澤 一樹)
※ 記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。
アイルの担当者紹介
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ファッションプロジェクトチーム
鵜ノ澤 一樹
会社概要
会社名 | 株式会社ヘルツ |
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代表者 | 野口 裕明 |
所在地 | 東京都渋谷区神宮前5-46-16 |
設立年 | 1987年12月 |
URL | https://www.herz-bag.jp/ |
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