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加工時の在庫引当や原価変更が、容易で正確に。販売履歴の活用で、顧客対応も素早く。
導入の背景
営業お断りの同社が、話を聞きたいと思える的確な提案だった。
ダンス・バレエなど舞踏衣装用の生地を取り扱う藤掛は、衣装メーカーやアパレル企業に卸すほか、一般消費者向けに実店舗やECサイトでも販売。日暮里には、アクセサリーモチーフを扱う店舗「フリカケ」も構える。藤嶋千広社長は、「派手な色合いの生地を揃え、他社では取り扱わない“隙間”を狙っている」と話す。社長自ら中国での買い付け、店頭販売や営業活動を行うこともあるという。「数字だけ見ていては麻痺してしまう。経営判断に必要な感覚は、現場をやり続けないと保てない」と語る。
2010年当時、業務管理に関しては市販の業務管理ソフトを利用していた。在庫管理は年に一度棚卸をするのみで感覚に頼っていたが、商品数が急増する中で追いつかなくなっていた。藤嶋社長は、「本当に儲かっているのか、在庫量は適切なのか、判断するための情報がなかった。経営者として問題には感じていたものの、こういうものだろうという気持ちもあった」と振り返る。
導入の決め手
その潜在的な問題意識を目覚めさせたのがアイルの営業担当だった。藤嶋社長は通常、営業案内は受け付けないという。しかし、アイル担当者が課題を親身にヒアリングし、要望を実現する提案をしたことで、「アイル担当者の話は聞きたいと思った」と話す。同社独自の要望に合ったカスタマイズが可能だと知り、アイルの「アラジンオフィス」への入れ替えを決めた。
導入の効果
加工時の在庫引当や原価変更など、複雑な作業が容易に。
2011年4月に導入後は、正確な在庫管理を実現した。同一品番の商品でも複数のカラーがあるが、以前は品番のみの管理だった。現在はカラー別に何反あるかが把握できる。最終仕入日の一覧表示により、売れ筋・死に筋も可視化。適切な発注判断も可能になった。
カスタマイズにより、加工在庫の複雑な管理も容易になった。外部に加工依頼した「生機」や「P下」と呼ばれる加工前の生地と、加工後に戻ってきた染やプリントが施された生地は、同一商品でも品番が変わってしまう。以前のシステムでは、加工前の品番は在庫を差し引き、加工後の品番は仕入商品として在庫を持たせる作業が手間だった。現在はこれが1画面で容易に可能。加工賃を加味した原価変更や、加工後に縮んだ際のメートル変更も、同様の画面で対応可能にした。
手作業だった輸入諸経費の按分も、システム化したことで負荷が削減された。事務担当の佐藤恵氏は、「こちらが望む通りにカスタマイズしてもらえ、現在は入力すれば自動で按分される」と話す。
店舗の売上管理にはバーコードを活用している。本社1階の店舗で商品を販売しているが、以前は販売した商品名と金額を手書きでメモし、2階の事務所にてシステムへ入力していた。現在は、販売商品の情報をバーコードで読み取ると、事務所のシステムに自動で入る仕組みを構築。「以前は金額のケタを間違えるようなこともあり大変だったが、とても便利になった」と藤嶋社長は実感をこめる。
佐藤氏は、「『アラジンオフィス』は操作がわかりやすい上、分析機能を活用して多角的な検証ができる」と話し、「コールセンターにかけると、システムに限らず、パソコン操作の初歩的な質問にも丁寧に対応してもらえて助かる」と続けた。
検索機能やデータ共有により、顧客対応が迅速に。
システムの活用で、顧客へのサービスも迅速かつ正確になった。顧客名での販売履歴の検索を可能にしたことで、「この前と同じもの」と注文を受けてもすぐに判断がつく。地道なことではあるが、藤嶋社長は「こういう対応は大手企業では難しい。顧客一人ひとりに寄り添う対応を重視していきたい」と話す。
見積書は、以前までエクセルで作成し、営業担当が個人でパソコンに保存していた。現在はシステムから発行し、皆で共有できる。担当営業の不在時にも、顧客からの問い合わせに対応できるようになった。
現在は、日暮里の店舗「フリカケ」でもシステムを利用。在庫を参照できるため、本社に確認せずとも顧客からの問い合わせに返答できている。
存在価値を高めるサービスの土台として、システムを活用。
1990年頃まで、シルクをメインに扱っていた同社。時代の変化に伴い、現在の合繊事業をスタートした。その後、同社の4代目社長として、初めて親族外の藤嶋社長が就任。業界では異例のセール販売を実施したところ、売上が拡大したという。「事業の転換も、経営者の交代や新たな販売戦略も、当初は風当たりが強く一筋縄ではいかなかった。でも勝機のない勝負はしない。確信を持って挑戦している」と藤嶋社長。システム導入もその一つである。
今後の展開
今後は一般消費者に向け、商品販売に留まらず生地活用のアドバイスもしていきたいという。「アイディアを求めて当店に迷い込んでくるお客様を、プロとして助けていきたい。売上以上に、存在価値を高めることを重視していく」と話す。そのために重要な1つとして、正確な業務管理がある。藤嶋社長は、「お客様が欲しいときに、欲しいものがあるようにしていきたい。でも在庫を持ちすぎては経営が成り立たない。そこを、『アラジンオフィス』を活用してバランス良く管理していく」と語った。
※ 記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。
2016年1月5日/繊維ニュースにて掲載
アイルの担当者紹介
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ファッションプロジェクトチーム
小林 大晃
会社概要
会社名 | 藤掛株式会社 |
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代表者 | 藤嶋 千広 |
所在地 | 東京都台東区寿1-21-6 |
設立年 | 昭和25年3月 |
URL | https://fujikake21.co.jp/ |
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