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受注予測を加味した在庫管理で、売り損じを防止。商品開発や営業活動に専念でき、企業レベルが向上。
導入の背景
商品数・得意先数・商習慣の多さに柔軟に対応できたのがアイルだった。
スーツケースをはじめとしたバッグの企画・製造や、全国の量販店・百貨店などへの卸売を行うアジア・ラゲージ。2003年の創業から業績は成長を続け、卸先の販売店は2年間で2倍に急増した。その秘訣は、利益以上に顧客の課題解決を重視した、商品の機能性と手厚いアフターフォローである。スーツケースを転がす音や重さの軽減、雨や衝撃に強い撥水性・耐久性などの実現に加え、独自のプライオリティー保障制度や10年保証制度を掲げる。金村徳厚社長は、「壊れたらまた買っていただくということではなく、長く使ってファンになってもらい、自然と広まる商品を提供したい」と語る。
誠実さは、卸先の販売店への対応も同様だ。販売店からの多様な要望に応えるべく、自社で物流配送業務を請け負う。そのため、業務管理は臨機応変な対応が必要になる。また、商品数は3,000点にも上る同社。得意先により業態や売れ筋もさまざまで、同一商品でも色により売れ筋が異なる。商品数と得意先数、さらに業界特有の商習慣の多さで、管理は煩雑さを極めていた。「これらの管理に対応すべく自社でカスタマイズしたデータベースソフトも、データ量の増加で動きが重くなっていた。データを全拠点へリアルタイムに共有することも難しく、有効在庫が見えなかった」と振り返るのは、管理部長・執行役員の岡本春益氏。6年間利用する中で業績は成長し、システムもシステム担当者の負荷も、限界を迎えていたという。
導入の決め手
そのタイミングでアイルの営業提案があった。金村社長は、「アイルさんは経験値が高く、事例も自社に合っていた。担当者の対応が早く、人も良い」と話す。岡本氏は、「エンジニアのヒアリング能力が高い。今後小売展開を検討する上で、アイルさんがECサイトや顧客管理などのサービスをトータルで提供していることも決め手だった」と話す。同社が最も求めていた、自社への理解とカスタマイズの柔軟性を叶えていたアイルの「アラジンオフィス」を、2015年9月に導入した。
導入の効果
リアルタイムでのデータ共有で、入出庫の段取りや人員配置が臨機応変に。
導入後は、受注・在庫・出荷状況のリアルタイムでの把握により業務が効率化した。以前は1日に1回バッチ処理(一定期間のデータを一括で処理する方法)をするのみだった。現在は全拠点で、入力した数字をリアルタイムに参照できる。「倉庫の奥にある商品も、事前に出荷するとわかればフォークリフトで出しておける」と岡本氏。勘に頼ることなくものの動きが正確に見え、入出庫時の段取りが効率化した。また、以前はスタッフ1人に1つの業務しか割り当てられなかったのが、受注部隊は本社、出荷部隊は物流センターに分かれ、1人が複数の業務を臨機応変にこなせるようになった。
金村社長は、「以前は感覚で判断できる自分が工場への発注作業をしていた。現在は誰もがシステムで正確なデータを把握できるため、作業をスタッフに任せられる。自分が本来の商品開発に専念できるようになったことは大きい。会社全体のレベルが上がった」と実感をこめる。
受注予測を加味した有効在庫の把握により、出荷数は倍増。
同社が行ったカスタマイズの特徴は、現時点までの受注データに加え、予測の受注データの管理も可能にしたことである。同社は、販売店の要望に迅速に対応するため、代理店を挟まず、自社が販売店のバックヤードとして機能している。販売店は店頭分以外の在庫を持たず、商品が売れたと同時に同社へ補充注文を入れる。この注文に素早く対応すべく、同社ではある程度の在庫を取り置いておく必要があった。この受注予測を加味した在庫管理をシステム化し、有効在庫と確保在庫を正確に把握できるようになった。「リアルタイムでの数字の把握に加え、正確な必要出荷数を確保しておけることで、出荷数は倍増した。以前までは適正な在庫数を把握できなかった」と岡本氏。さらに、工場でも完成までの受注予測を加味した製造計画が立てやすくなった。先々を見越しての管理が、自社と得意先の売り損じを防止している。
また、データの分析機能も有効活用している。「アラジンオフィス」は、システムに蓄積されたデータの抽出条件を自由に設定し、CSVデータで出力できる。「営業担当者が得意先の売れ筋を分析し、商品や注文数の提案を的確にできるようになった。その提案が新規受注につながることもある」と金村社長。岡本氏は、「自分たちで設定を変更できるのはとても助かる」と実感をこめた。
今後の展開
「アラジンスマート」を活用し、営業対応力の向上も目指す。
同社は、アイルが提供するデータ参照クラウドサービス「アラジンスマート」の導入も決定している。稼働すれば、営業担当者が外出先でも、スマートフォンで受注・在庫状況、出荷時期や納品履歴を参照可能。スタッフの効率や営業対応力の向上につながる。
今後は自社ECサイトの立ち上げを検討しているという。金村社長は、「アイルさんはECサイトの制作や運用、『アラジンオフィス』との連携管理も可能なので、引き続きお願いしたい」と話す。さらにアイルについて、「基幹システムをお願いするということは経営の基盤を任せるということで、単なる取引先の関係ではない。そういう信頼感を持っている」と語る。岡本氏は、「アイルさんの営業担当者は自社を深く理解してくれており、顧問に欲しいくらい」と声を弾ませる。
創業から業績が右肩上がりの同社だが、金村社長は創業当初について、「数字は伸びていても会社自体が成長しておらず、吹けば飛ぶのではという不安があった」と振り返る。その状態を変えたのが、現在の“儲けよりも顧客視点”を重視する開発理念だった。長く愛される商品開発と心をこめたアフターフォローでファンを拡大するため、パートナーの1社であるアイルと並走していく。
アイルのシステムソリューション
自社物流による細かな取引先への対応、そして業界ならではの独自の商習慣。さらに、事業拡大に伴う新たなニーズが、業務フローに落とし込んで詰めていく中でどんどん出てきて、それらを実現させるというプロセスを繰り返しました。システムを導入しても活用できなければ意味がないため、時間をかけても念入りな打ち合わせを重ね、約1年をかけてアジア・ラゲージ様の構想に合わせたシステムを構築していきました。
特に金村社長はものづくりへ強いこだわりをお持ちです。 以前までは金村社長が自ら行っていた受発注業務を、システムの導入によりスタッフの方に任せられるようになったことで、新製品開発の企画や改良により力を注いでいただけるようになったと伺い、本当にうれしく思っています。
アジア・ラゲージ様のように急成長を遂げ、伸びていく会社を支えることがアイルの本来の使命。私の仕事のやりがいでもあります。
(ファッションプロジェクトチーム/宮本 圭)
※ 記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。
アイルの担当者紹介
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ファッションプロジェクトチーム
宮本 圭
会社概要
会社名 | アジア・ラゲージ株式会社 |
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代表者 | 金村 徳厚 |
所在地 | 東京都足立区谷中1丁目15-2 |
設立年 | 平成15年1月 |
URL | http://asialuggage.asia/ |
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