Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析とは?
目的や進め方などを解説
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Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析とは?目的や進め方などを解説
Fit&Gap分析(フィットアンドギャップ分析)とは、企業がパッケージシステムを導入する際に、求める機能とパッケージが備えている機能の適合度を分析する手法です。
本記事では、Fit&Gap分析の目的や重要性、進め方などについて解説していきます。パッケージシステムの導入や刷新にあたりFit&Gap分析を実施する必要があるがやり方が分からない、要件定義との違いについて知りたいといった方はぜひ参考にしてください。
目次
Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析とは?
Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析とは、企業がERPなどのパッケージシステムを導入する際に、「パッケージに対して求める機能」と「パッケージが備えている機能」が、どの程度適合しているかを分析する手法のことです。
パッケージシステムは幅広く標準的な機能を備えていますが、自社が求める要件に100%適合しているシステムを見つけることは現実的ではありません。そのため、適合している項目(Fit)と適合していない項目(Gap)を洗い出したうえで、適合していない項目(Gap)についてどのように対応するかを検討し実行可能な計画を立てていくというのが、Fit&Gap分析の流れです。
Fit&Gap分析の目的
Fit&Gap分析は、主にパッケージシステム導入時の検討段階で用いられる手法であり、複数のパッケージシステムを比較するためにおこないます。Fit&Gap分析の大きな目的は、自社のニーズとシステムの機能がどれだけ適合しているのかを評価することです。また、ギャップを特定し、カスタマイズの要否を判断することもFit&Gap分析の目的の一つです。
Fit&Gap分析のイメージ
Fit&Gap分析は、自社がパッケージシステムに求める機能を一覧表にまとめ、候補とするシステムが各機能を有しているかどうかを評価する方法が一般的です。
求める機能を有している場合は「○」、有していない場合は「×」を付けます。たとえば、自社が求める5つの機能のうち、3つを満たしているシステムであれば、適合率は60%ということになります。
Fit&Gap分析と要件定義の違い
要件定義とは、システム開発の際にクライアントの要件をまとめ、その要件を実現するためにどのようなシステムを開発すべきかを定義する工程のことを指します。
Fit&Gap分析においてもシステムに求める要件を明確にしますが、要件定義がシステム開発の一工程であるのに対し、Fit&Gap分析は自社に導入すべきパッケージシステムを比較検討する際に用いられる評価手法であるという点で違いがあります。
Fit&Gap分析とFit to Standardの違い
Fit to Standard(フィットトゥスタンダード)とは、自社の業務をシステムに合わせるという方針のもと、カスタマイズをせず標準機能のままシステムを導入する考え方のことを指します。Fit to Standardは、基本的にシステムのカスタマイズやアドオン開発をしないため、導入コストを抑えられるほか、短期間でシステムを導入することができます。
一方、Fit&Gap分析はあくまでも分析の手法です。Fit&Gap分析の結果、明らかになったギャップを解消するために、「業務をシステムに合わせる(Fit to Standard)」か「業務に合わせてシステムをカスタマイズする」か、企業が判断することとなります。
Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析の進め方
Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析は、以下の流れで進めるのが一般的です。
- システムに求める要件を洗い出す
- 候補となるシステムのFit&Gap分析をおこなう
- 自社に最適なシステムを選定する
【Fit&Gap分析の進め方1】システムに求める要件を洗い出す
Fit&Gap分析の第一ステップは、自社がパッケージシステムに求める要件・機能を洗い出すことです。そのために、まずは既存の業務フローを整理し、改善したいポイントやシステムの導入によって効率化したいポイントを洗い出します。そのうえで、パッケージシステムに求める要件を洗い出していきます。
【Fit&Gap分析の進め方2】候補となるシステムのFit&Gap分析をおこなう
洗い出した要件を満たせるかどうかという観点で、いくつか候補になるパッケージシステムをピックアップし、Fit&Gap分析をおこないます。
標準機能だけで自社の要件を100%満たせるシステムは稀であり、必ずギャップが明らかになります。そのギャップを許容して業務をシステムに合わせるのか、もしくは業務に合わせてシステムをカスタマイズするのかという方針も含めて、比較・検討をおこないましょう。
【Fit&Gap分析の進め方3】自社に最適なシステムを選定する
Fit&Gap分析の結果に加え、コスト面やベンダーのサポート面も踏まえて、自社に最適なパッケージシステムを選定します。
コスト面は、ライセンス費用をはじめとする導入コストはもちろんのこと、保守・運用に必要なランニングコストも試算する必要があります。システムの運用開始後に不具合・トラブルが発生したとき、ベンダーにどのようなサポートをしてもらえるのかという点も重要です。総合的な観点から、自社のニーズにもっとも適合するシステムを選定しましょう。
Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析の注意点とは?
Fit&Gap(フィットアンドギャップ)分析の注意点として、よく言われるのが以下の3点です。
- 漏れなく要件を洗い出す
- 要件の優先順位を明確にする
- 既存システムとの連携を考慮する
漏れなく要件を洗い出す
Fit&Gap分析では、自社がパッケージシステムに求める要件をできるだけ詳細に、漏れなく洗い出すことが重要です。要件に漏れがあると、システムを導入してから「こういう機能があったほうが良かった」「これができないと不便だ」といった不満につながり、追加でカスタマイズやアドオンが必要になる可能性があります。
要件を漏れなく洗い出すためには、全部署のシステム利用者にヒアリングをすることをおすすめします。
情報システム部門だけでFit&Gap分析をおこなうと要件の洗い出しが不十分になりがちで、導入後に不具合が生じ、現場の不満につながります。実際にシステムを利用する現場の従業員の意見も踏まえて、網羅的に要件をリストアップしていきましょう。
要件の優先順位を明確にする
Fit&Gap分析で洗い出した要件は、並列で考えるのではなく優先順位を付けることが重要です。必須要件(Must)と希望要件(Want)に分けて考えるのが良いでしょう。
ただし、必須要件にすべきかどうかは慎重に検討する必要があります。Fit&Gap分析をおこなった後は、ギャップを解消するためにカスタマイズを検討することが一般的ですが、必須要件が多すぎるとカスタマイズにかかるコストが増大し、予算オーバーとなってしまう可能性があります。そのため、安易に必須要件を増やさず、「本当に必要な要件なのか?」「標準機能で代替することはできないのか?」など精査したうえで判断することが大切です。
既存システムとの連携を考慮する
新たに導入するシステムと既存のシステムの間で、スムーズにデータを連携できるかどうかは重要なポイントです。
システム間のデータ連携に問題が発生すれば、組織全体としてデータを活用しにくくなり、システムの運用が非効率になるおそれがあります。また、システム間の連携ができないと、手動によるデータの共有・受け渡しなどムダな作業が増え、入力ミスや入力漏れ、データの不整合などヒューマンエラーが生じるリスクも高くなります。最悪の場合はシステム障害を招き、顧客の信頼低下や売上・利益の低下など、ビジネスに深刻な影響を与えるリスクも考えられます。システム間の連携をするために新たな開発が必要になれば、当然コストの負担も増大します。このような事態を避けるため、Fit&Gap分析においては、システム間の連携可否を十分に考慮しなければいけません。
まとめ
昨今、DXという大きな流れに対応するため、ERPシステムを導入する企業が増えています。また、レガシーシステムと呼ばれる古いシステムを使い続けることによるリスクについて経済産業省が「DXレポート」内で言及したことや、既存ERPシステムのサポート終了などをきっかけに、ERPシステムや基幹システムの刷新・リプレースを検討する企業も増えています。 ERPシステムの導入・刷新を成功させるためには、検討段階で丁寧にFit&Gap分析をおこなうことが重要です。ERPシステムの導入・刷新をお考えの企業様は、まずはFit&Gap分析によって、自社が求める要件とERPシステムの適合度を評価することからスタートしましょう。
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