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パッケージシステムの導入により、事業部全体で業務の標準化を実現
統制が図れ、業務の見える化や在庫管理の精度向上に寄与
導入の背景
内部統制の強化と業務標準化を目指し、システムを刷新
エレベーターや建設現場のクレーンなどに使用され、人々の安全を日々支えているワイヤロープ。
そんなワイヤロープにおいて国内トップシェアを誇るのが東京製綱株式会社だ。同社ではワイヤロープのみならず、多種多様な製品を取り扱っている。
なかでも「エンジニアリング事業部」では、建設・工事業界を中心に、橋梁用ケーブルやワイヤロープ式防護柵などの資材販売や施工を手掛けている。
同事業部では、これまで約10年スクラッチ開発の販売・在庫管理システムを利用していた。長年の利用で小さな不具合が起きていたこともあり、システムの入れ替えを検討。
事業本部エンジニアリング事業部 事業推進部長 石崎氏は「システムを作った当時は最新でも、10年経つと周りのシステムに比べてできないことが増えてきました。特に不便だったのはデータの出力ですね。データ抽出の権限が管理者に限定されていたため、欲しいデータがあってもすぐに取り出せないことに煩雑さを感じていました」と当時を振り返る。
またシステム入れ替えに際し、内部統制の強化と事業部全体での業務標準化を狙いとした。
石崎氏は、「当時は、拠点ごとに異なる運用が存在しており、業務のブラックボックス化や、特定の担当者への属人化が課題になっていました。新たなシステムの導入をきっかけに、事業部全体を通して業務をマニュアル化したいと考えました」と語った。
導入の決め手
画面の見やすさと、現場に寄り添った提案が決め手に
十数社のなかから、最終的にアイルを選定。
IT企画部 マネージャー 石井氏は、選定時を振り返りこう語る。
「複数の会社から話を聞くなかで、アイルさんは画面が見やすく説明がわかりやすかったのが印象的でした。システムに詳しくないメンバーにも伝わるよう噛み砕いて説明してくれていました。現場の支持も厚かったですね」
また、担当者の提案力も決め手の1つになったという。
同社では当初、システム稼働までの希望納期を提示していた。
他社から希望通りの納期でスケジュールを提案されたが、実際に現場がついていけるのかという不安もあった。
「アイルさんの『もっと期間を取ったほうが良いですよ』という提案にフィット感がありました。結果的に無理のないスケジュールで進めることができたので、良かったと思っています」と石崎氏は話す。
導入の効果
各拠点で異なっていた業務フローを統一し、業務の見える化を実現
伝票承認がシステム上で可能になり、内部統制も強化
以前はシステムとは別に、Excelで管理したり別の帳票を作成したりと、各拠点で異なる業務フローが存在していた同社。
取引先から求められることが拠点ごとに異なり、なかには人数が限られている拠点もあったため、特定の担当者に負荷が集中してしまうこともあったという。
「アラジンオフィス」の導入で、システムに則った運用に統一することにより、エンジニアリング事業部全体で業務の標準化に成功した。
石井氏は「管理者の立場からすると、現場がどのような業務をしているのかが段々見えづらくなっていました。今回業務を改めて見直すところから着手し、パッケージシステムに合わせて整理することで見える化につながりました」と語る。
また「アラジンオフィス」によって伝票承認が可能になり、内部統制の強化も実現した。
「電子承認が可能になったことで、ログがきちんと残るようになり、監査対応のレベルが上がっています。業務の標準化により業務の流れが統一できたことで、内部統制も進みました」(石崎氏)
一方で、実現の裏側には苦労もあったという。
「以前よりも承認フローが厳格化されたことで、『業務がやりにくくなった』という声もあがりましたが、統制を図るためには必要な作業であることを繰り返し説明しました。1年ほどでフローも定着し、現在では同じような声は上がらなくなりました」(石井氏)
事業本部エンジニアリング事業部 事業部長 和田氏は、
「作業の流れでスキップしてしまったり、ダブルチェックが入らなかったりすると、エラーやクレームのもとになりますし、データの信頼性にも関わります。今回『アラジンオフィス』の導入によって承認フローが整えられたことで、ヒューマンエラーが出にくくなり、業務の精度も上がって、内部統制の必要性を現場に浸透させられたと思います。その感覚を他の業務にも広げていきたいですね」と語る。
ロット管理により、在庫管理の精度向上。棚卸業務も半日短縮
ハンディターミナルの活用で誤出荷防止も
さらに、棚卸業務でも効果が大きく出ている。
同社では、半年に1回棚卸を行っている。
以前は同じ商品の在庫を区別する番号がなかったため、棚卸の際にしか正確な在庫数を把握できなかった。
そのため棚卸で大きく差異が出てしまうこともあったという。
「アラジンオフィス」の導入により、個別のIDを各在庫に付与し、同じ商品でもロットナンバーで管理できるように整備。ロット管理を実現した。
石崎氏は、「在庫のずれが従来よりもかなり少なくなりました。また作業時間も削減されており、棚札を貼る作業がなくなっただけでも、半日は短縮されています」と実感を込める。
「アラジンオフィス」はハンディターミナルと連携が可能だ。
棚卸や入出荷時に、ハンディターミナルで商品に付与されているバーコードを読み取ることで、データがシステムに自動で取り込まれる。
「ハンディターミナルの活用も時間短縮になっています。棚卸も以前は全て手作業で確認してExcelで管理するという運用でしたが、今はバーコードを読み取るだけで済むようになり、非常に便利です」(石崎氏)
石井氏も「出荷時に商品のバーコードを読み取ることで、商品と出荷指示を一致させるきっかけが生まれるので、誤出荷も減りました。ロット管理を採用した分、業務処理は増えましたが、その分の負荷をハンディターミナルで削減できています」と同意した。
月末に集中していた売上処理の作業が分散され、残業削減にも効果
月末の売上処理の負荷も削減されたという。
従来のシステムでは、工場の締め処理が完了した後に請求書が取り出せる仕組みになっていた。
そのため営業担当者は請求書の発行、仕分・送付作業を、締め処理後に残業で行う必要があった。
「今では営業担当者が締め作業を待たずに売上計上や請求書発行が可能になったので、作業が分散され、残業も減っています」(石崎氏)
「毎月の作業が特定の時期に集中することがなくなり、業務の流れや工場との連携もスムーズになりました。作業が効率化された分、他業務への時間の有効活用やコスト削減にもつながっていると考えています」(和田氏)
和田氏は、今回の「アラジンオフィス」導入プロジェクトについてこう語る。
「物価の上昇や短納期対応など、ここ数年でさまざまな変化があり、原価積算や在庫管理といった業務の精度を保つために、多くの労力が必要になります。『アラジンオフィス』の導入でその負担が解消されているので、タイムリーに次の計画や対策が立てやすくなると期待しています」
同社は、今後も「アラジンオフィス」を活用し業務を効率化しながら、さらなる発展を目指していく。
※ 記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。
2024年6月28日/鉄鋼新聞にて掲載
アイルの担当者紹介
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鉄鋼プロジェクトチーム
吉田 茂宏
会社概要

会社名 | 東京製綱株式会社 |
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代表者 | 原田 英幸 |
所在地 | 東京都江東区永代二丁目37番28号(澁澤シティプレイス永代) |
設立年 | 1887年 |
URL | https://www.tokyorope.co.jp/ |
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アイル営業より
東京製綱様とは、弊社のサービスサイトへお問合せいただき、ご縁をいただきました。
業務キーマンの方々とお打合せを重ねるなかで、エンジニアリング事業部の将来像を見据えながら、
関係者の皆さまとともに業務フローや運用方法を作り上げていくことは楽しかったですね!
営業提案時に掲げていた業務フロー標準化、在庫管理、製造管理、内部統制など「管理面強化」と「業務効率化」の両面をバランス良く実現できたことは非常に嬉しく思います。
また何よりも同じ思想を持ち、共創関係でプロジェクトを進められたことが成功の要因でした。
今後とも期待に応えられるようにご支援していきますのでよろしくお願いします!
(システムソリューション部/吉田)