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他社システムとの連携が柔軟に可能な
販売・在庫管理システムを軸に、在庫管理精度の向上と、
トレーサビリティ強化、ペーパーレスを実現。
導入の背景
手作業の出荷管理や、在庫管理の精度向上が課題に
1974年に創業以来、飲料サービス機材パーツや、輸入機材の国内向けカスタマイズ、自社開発の飲料ディスペンサーを手掛けてきた早川産機株式会社。同社の飲料ディスペンサーは、各飲料メーカーが導入し、大手ファーストフードチェーンの国内各店舗や、大規模テーマパーク、映画館などのアミューズメント施設や大型スーパーのフードコーナーに設置されている。
他社にはない同社の強みは、製品だけでなく、設置・メンテナンスに必要な部品の販売も行っている点だ。業務部部長代理の高橋尚樹氏は「大手電機メーカーでもディスペンサーの製造・販売は行っていますが、部品まで販売しているのは当社ぐらいです」と語る。
その部品販売は月に2000件に上り、これらのトレーサビリティを含む在庫管理や、取引先の保守点検といった対応履歴管理が課題となっていた。同社では2008年から販売・在庫管理システムとして、「アラジンオフィス」の旧バージョンを使っていたが、10年ほど利用し新たな課題も浮上していた。
例を挙げると、発送用の送り状は、担当者がシステムから出力された出荷指示書を見て、各配送会社の送り状発行システムに手入力していたという。また、在庫管理は、現場では各製品・部品に付けられたカードに入出庫数・在庫数を記入していた。機材のシリアルナンバーはExcelで管理していたため、システムとExcelの在庫数を合わせる作業も必要だった。
「どうしても人による手作業が入ることから、記入漏れやミスが発生し、日単位で実在庫とシステム上の棚卸しをせざるをえない状況でした。特にロット管理はトレーサビリティの観点からも正確性が求められますし、工数も削減したい。そこでこれをシステム化できないものかと考えていました。そんな折、アラジンオフィスの更新時期が来たので、システムの刷新を検討することにしました」(高橋氏)
導入の決め手
外部システム連携とカスタマイズの柔軟性、充実したサポートを評価
当初、高橋氏は他の販売・在庫管理システムも検討したが、外部連携なども含めてしっくり来るものがなかったという。「そこでアイルに相談することにしました。アラジンオフィスだけでなく、ネットワークインフラの構築もお願いしていたこともあり、相談役的に話を聞いてもらおうと思ったのです」と高橋氏は語る。
実は同社では、2017年よりサイボウズ社の業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」を導入し、Excelベースだった業務を「kintone」へ移行していた。
「アラジンオフィスとkintoneの連携は難しいかと考えていたのですが、新しいアラジンオフィスでは、アステリア社のデータ連携ツール『ASTERIA Warp(アステリアワープ)』を使って連携が可能になっていると聞き、アイルにサポートしてもらえるなら心強いと感じました」(高橋氏)
最終的には、従来から使っている「アラジンオフィス」とさほど変わることなく操作ができる点や、旧システムで作りこんでいた対応履歴管理を「kintone」に移行・連携できる点、簡易的な生産管理システムとして、部品の構成管理にも使えるようになった点、さらには資産在庫と物流在庫がそれぞれ管理できるようになった点を評価し、新「アラジンオフィス」の導入を決定した。
加えて高橋氏は「何よりも、アイルは従来からしっかりしたサポートを提供しており、今回の相談も丁寧にヒアリングしてくれた上で提案をいただいたので、非常に任せて安心だと感じました」という。
導入の効果
月30時間の業務削減と在庫精度の向上、さらに請求書などの電子化により残業も削減
導入にあたっては、要件定義の段階で、業務上必要なアプリを「kintone」で開発することを前提に「アラジンオフィス」と「kintone」の棲み分けを決めて進めていった。
「kintone」の業務アプリ開発を担当する業務部 主任 堀摩実氏は「要件定義は結構大変でしたが、ここでしっかりやっておいたおかげで、ほとんどの業務管理がアラジンオフィスとkintoneでできるようになりました」と語る。
在庫管理でも大きな導入効果があった。新システム導入と同時にハンディターミナルを導入し、バーコードによる出荷品のデータ入力を可能とした。これにより、これまでのカードによるアナログ管理を廃止、在庫管理、ロット管理の精度向上と効率化を同時に実現した。「ハンディターミナルで出荷品のラベルと出荷指示書のバーコードを読み取り、出荷ロットの出荷数を入力すると、アラジンオフィスに連携・登録されるようになったため、ミスが削減されました。これにより、出荷業務で月30時間ほどの時短を図ることができました」(高橋氏)
また、在庫管理は「資産在庫」(出荷済み売上前の在庫)と「物流在庫」(現在庫)の把握ができるようになったことから「営業部門からは正確な在庫がわかるようになったと好評です」(高橋氏)
送り状の発行も、「アラジンオフィス」と各配送会社の送り状システムを連携したことで、利用する配送会社ごとに「アラジンオフィス」からCSVをエクスポートして、各社の送り状発行システムにインポートするだけになった。「日々100~150ある送り状の作成が、瞬時に終わるようになりました」(高橋氏)という。
さらに、2022年には請求書、納品書の電子化のため、ラクス社の電子請求書発行システム 「楽楽明細(らくらくめいさい)」をアイル経由で導入。「アラジンオフィス」とスムーズにデータが連携できるため、導入のハードルが低かった。「この請求書・納品書の電子化も業務効率化を推進しました。それまで、担当者は、月末になると残業がやむを得なかったのですが、導入後は帳票の半分以上が電子化され、1時間以上早く帰宅できるようになっています」(堀氏)
堀氏は操作性についても評価している。「利用者のIDごとに、データの検索条件や、在庫数量にカーソルを合わせると在庫データ、商品名にカーソルを合わせると商品データにジャンプするなどのカーソル制御設定を、自由に設定できるところも使い勝手の向上につながっていると思います」と語る。
今後の展開
さらなる業務の自動化、そして電子帳簿保存法対応を進める
「システムが稼働し始めた直後、2020年春のコロナ禍によるテレワーク対応を余儀なくされましたが、アラジンオフィスを自宅でも利用できるよう、早い段階でアイルに相談でき、内勤・外勤限らずノートPCの導入を進め、VPNの導入も済んでいたので、テレワークへの移行も混乱なくできました」と高橋氏は語る。
今後の同社ITシステムの展望について高橋氏は、「出荷指示のRPAによる自動化や、発注ワークフローのシステム化といった業務効率化をさまざま検討しています。また、すでに一部は楽楽明細で実現していますが、電子帳簿保存法、インボイス対応も進めていきたいと考えています。不明点が出た際には、ひきつづきアイルに相談できればありがたいと思います」と話を締めくくった。
※ 記事中の固有名詞・肩書などは、記事作成当時のものです。
2023年2月15日「日経MJ」掲載
アイルの担当者紹介
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システムソリューション部
白岩 智和
会社概要
会社名 | 早川産機株式会社 |
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代表者 | 早川 洋平 |
所在地 | 東京都墨田区錦糸1-10-10 |
設立年 | 1974年 |
URL | https://www.hayakawa-sanki.co.jp/ |
導入しているシステム
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本部管理・物流管理
販売・在庫管理システム
販売・在庫管理に必要な機能をコンパクトにまとめた無駄のないシステムで、お客様のご要望に合わせたカスタマイズも柔軟に対応。貴社にぴったりとフィットする「貴社独自のシステム」のご提供が可能です。
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ハンディターミナル
ハンディターミナル活用
バーコード読み取りハンディターミナルを活用することによって、棚卸管理・入出荷検品・入出庫管理など、煩雑だった業務を改善・効率化することができます。
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システム連携
kintone連携
「アラジンオフィス」と「kintone」の連携について。基幹業務のデータの利用がスムーズになり、経営層・部署ごと・担当者ごとなどに、見たいデータを見たい形で活用することができます。
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システム連携
Asteria warp連携
「アラジンオフィス」と「Asteria warp」の連携について。8,000社以上の企業での導入実績があるデータ連携ミドルウェア。ノーコード技術で業務の自動化を支援します。
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システム連携
楽楽明細連携
「アラジンオフィス」と「楽楽明細」の連携について。請求書、納品書、支払明細といった帳票をWebで発行し業務を自動化できるクラウドシステム。領収書など、あらゆる帳票の発行が可能です。
その他の事例
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Webからの資料請求・お問合せ
アイル営業より
早川産機さまとは10年以上という長いお付き合いで、旧「アラジンオフィス」でも多くのカスタマイズを実装していました。
新「アラジンオフィス」にリニューアルする今回のプロジェクトでは「連携」がテーマでもあったので、これまで「アラジンオフィス」で管理していた業務範囲をいかに他社ツールで補い、システム同士をスムーズに連携するか、改めて一から業務ヒアリングさせていただきました。結果、現在の同社にとって最適なシステムを構築できたと思います。
昨今の市場では、1社のベンダーでオールインワンのERPを時間とコストをかけて作りこむのではなく、最小限の基幹システムを中心に、他に必要な業務管理は複数のアプリやクラウドサービスを連携させることでカバーする、「ポストモダンERP」という次世代型ERPのあり方がトレンドになってきています。
当事例をはじめ業界に良いお手本を示していけるよう、今後もお客さまとともにより良い業務の実現を追及してまいります。
(システムソリューション部/白岩)