2層ERPとは?メリット・デメリットと活用事例をわかりやすく解説

2層ERPとは?
メリット・デメリットと活用事例をわかりやすく解説

2層ERPとは?
メリット・デメリットと活用事例をわかりやすく解説

2層ERP

2層ERPとは、親子関係にある2つのERPシステムを組み合わせて活用する形態のことです。複数の事業を展開する企業やグローバル展開する企業において、効率的な経営管理を実現する手法として近年注目を集めています。

今回は、2層ERPのメリット・デメリットや、2層ERPの導入が向いている企業などについて解説していきます。

目次

2層ERPとは

2層ERPとは「コアERP」と呼ばれるメインの大規模なERPシステムがあり、その下に各拠点特有のニーズに対応した「サブERP」が配置される2層構造になったERPのことであり、英語では「Two-tier ERP」と呼ばれます。

そもそもERPとは何かを詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。

ERPとは?基幹システムとの違いや選び方、導入メリットについて解説

2層ERPは、主に複数の事業を展開する多角経営を行う企業や、複数の国・地域で事業展開を行うグローバル企業などで活用されています。本社と拠点がそれぞれ最適なERPシステムを導入し、それらを連携して運用することで、事業や国・地域の垣根を越えたシームレスな経営管理を実現することが2層ERPの目的です。

2層ERPの「コアERP」とは

コアERPとは、2層ERPの親子関係において「親」の役割を果たす1層目のERPのことです。コアERPは通常、企業の中枢を担う大規模なERPシステムであり、企業全体の基本的な業務プロセスを統合し、情報を一元的に管理します。

2層ERPの「サブERP」とは

サブERPとは、2層ERPの親子関係において「子」の役割を果たす2層目のERPのことです。本社や親会社、主要拠点に導入されているコアERPに対し、拠点や事業ごとに導入されるERPシステムがサブERPです。サブERPは通常、特定の地域や事業のニーズに合ったシステムが導入され、コアERPと連携しながら特有の機能を果たします。

2層ERPの従来の課題

2層ERPの従来の課題についてご説明します。

グローバル化による海外と日本の要件の違い

2層ERPという概念が登場する前、グローバル展開する企業では、本社で導入しているERPと同じシステムを他の国・地域の拠点に導入するケースも少なくありませんでした。しかし、この方法ではさまざまな弊害が生じていました。

たとえば、日本企業がグローバル展開する場合、日本とは異なる法制度に対応しなければいけません。しかし、単一のERPでは国や地域によって異なる法的要件に対応することが難しく、法令遵守において問題が生じることがありました。
また、グローバル展開をするうえでは異なる言語や通貨、商習慣や業務プロセスに対応する必要がありますが、単一のERPでこのような多様性に対応するのには限界がありました。

投資対効果が見合わない

国内・海外を問わず、企業が拠点を拡大する場合、新設した拠点にもERPシステムが必要になります。しかしながら、近年はVUCA(※)の時代と言われるように、外部環境が目まぐるしく移り変わり、半年先、1年先も見通すことが難しい時代になっています。新設した拠点が軌道に乗らず、早期の撤退を余儀なくされることもあるでしょう。
その場合、ERPシステムの導入に要したコストの回収が難しくなる可能性があります。本社と同じ大規模なERPシステムを各拠点に導入するのは、多くの企業にとってリスクの高い投資だと言えます。

このような懸念を払拭できるのが2層ERPです。2層ERPの場合、各拠点で導入するのは小規模かつ低コストのサブERPです。仮に新設した拠点が撤退することになった場合も、損失を最小限に抑えることができるでしょう。

※VUCA(Volatility:変動性/Uncertainty:不確実性/Complexity:複雑性/Ambiguity:曖昧性)

2層ERPが注目されている背景

近年、2層ERPが注目を集めている要因はいくつか考えられますが、大きいのはクラウドERPの進化でしょう。

クラウドERPの進化

クラウドERPとはERPシステムの提供形態の一つであり、クラウド環境で使用するERPのことです。近年、クラウドERPは著しい進化を遂げており、これまで主流だったオンプレミスERPに代わってERPの主流になっています。

クラウドERPは、サーバなどのインフラ設備が不要であり、低コスト・短納期での導入が可能です。さらに、運用・管理をベンダーに一任できるため、人的リソースを割く必要もありません。その手軽さは、拠点ごとに異なる要件に対応する必要がある「サブERP」として最適でした。

このように、クラウドERPの進化によってサブERPの導入が現実的になったことで、2層ERPに注目が集まるようになりました。最近は、本社で導入しているERPをコアERPとして保持しつつ、拠点にサブERPとしてクラウドERPを導入し、双方を連携させることで経営管理の全体最適を図る企業が増えています。

クラウドERPについては、以下の記事で詳しく解説しています。

クラウドERPとは?オンプレミスとの違いや種類、導入メリット・デメリットを解説

2層ERPの導入メリット

2層ERPを導入するメリットとして、よく言われるのが以下の3点です。

【2層ERPのメリット1】各拠点に合わせたERPの使用

2層ERPを導入することで、拠点ごとのニーズや要件に合わせてERPを運用できるようになります。たとえば、企業が異なる国・地域に拠点を設ける場合、地域によって言語や通貨、法制度などが異なります。
また、国内企業においても、支店や営業所によって事業内容や業務フローが異なるケースは少なくありません。2層ERPであれば、コアERPが本社の中枢業務を管理し、サブERPによって各拠点で求められる要件に合わせた管理ができるため、地域や事業の垣根を越えたシームレスな経営管理が可能です。

【2層ERPのメリット2】コスト削減

2層ERPを選択することは、企業にとってコスト削減にもつながります。企業の中枢を担う大規模なERPと同じシステムを各拠点に導入しようとすると、コストの負担は非常に大きなものになります。
しかし、2層ERPであれば、各拠点に導入するのは比較的安価なクラウドERPなので、コストを抑えた導入が可能です。

【2層ERPのメリット3】リアルタイムでの現状把握

2層ERPの特徴の一つが、コアERPとサブERPとの間でリアルタイムなデータ共有がおこなわれることです。各拠点における業務の進捗や取引データが即座に反映されるため、企業全体として常に一貫性のある最新情報を得られます。
全国各地や海外に点在する各拠点の情報をリアルタイム、かつ一元的に管理できる2層ERPであれば、迅速で効果的な意思決定が促されるでしょう。

2層ERPはどんな企業に向いている?

2層ERPが向いている企業と、その理由についてご説明します。

2層ERPは「事業内容や業務内容が多岐にわたる企業」におすすめ

2層ERPは、事業内容や業務内容が多岐にわたる企業に向いています。国内企業であっても複数の事業を展開している企業は、さまざまな業務プロセスが存在するはずです。このような場合、単一のERPのカスタマイズを行ってもすべての業務プロセスに対応することには限界があるでしょう。
その点、2層ERPであれば、コアERPによって中枢となる基本業務を管理でき、サブERPによって各事業・各業務で求められる要件に合わせた管理ができます。

もちろん、企業の方針として事業のさらなる多角化を図ったり、環境変化に対応して新事業を立ち上げたりすることもあるでしょう。2層ERPはスケーラビリティに優れているため、新しい事業領域、業務領域が発生した際も、柔軟かつ迅速に対応することができます。事業の多角化や業務の多様化に対応しやすいのは、2層ERPならではの利点だと言えるでしょう。

2層ERPは「国内外の複数拠点で事業を展開している企業」におすすめ

2層ERPは、国内外に複数の拠点を展開しているグローバル企業に向いています。
たとえば、グローバル展開する企業の場合、拠点によって言語や通貨、法制度などが異なることが多いため、単一のERPではすべての要件を満たすことができず、複雑な問題が生じる可能性があります。一方で2層ERPは、コアERPが企業全体の基本的な業務プロセスを統合し、サブERPが拠点ごとに異なる要件に対応した機能を果たします。これにより、異なる国・地域間でもスムーズに情報共有がおこなわれ、より精度の高い意思決定が促されます。

国内に複数拠点を有する企業の場合も同様のことが言えるでしょう。同一企業でも、拠点によって商習慣や業務プロセスが異なるケースは多々あります。全拠点で単一のERPを導入しているとERPシステムと実務の間でミスマッチが生じ、ビジネスの効率性が損なわれるおそれがあります。2層ERPであれば、各拠点のニーズや特殊性に柔軟に対応することができます。

まとめ

本社でコアERPを使い、拠点や子会社でサブERPを使うことで経営管理の効率化を図る企業が増えています。グローバル企業や複数の拠点・事業を持つ企業には、2層ERPが向いています。
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