男性アンダーウェアには珍しく、VMDを前面に押し出して展開するアンダーウェアセレクトショップの「HIPSHOP」。2010年5月ららぽーと船橋店に1号店をオープンし、2011年4月に多店舗化を開始し、2012年9月現在で16店舗を急速展開。この急成長を支えているのが、アイルの店舗管理システム『アラジンショップ』である。
HIPSHOPは、「見えないオシャレを楽しもう!」をコンセプトにファッション性の高いアンダーウェアを提供する、アパレル繊維メーカーである株式会社プロビジョンが展開している。代表取締役の五味純一氏は、ソックス・男性用アンダーウェアに目を付け、企画・生産・販売会社のプロビジョンを設立し、様々なブランドのライセンスを取得し、卸売を主に展開している。
最初からチェーン店を主体に営業し、男性用アンダーウェア業界では珍しく、カラフルで楽しいVMD提案を積極的に展開、話題性とともに業績も伸ばしていく。
「しかし、卸売業だけの展開では真のマーケティングデータが入手できません。年齢層や客層の細かい動きなどが見えない。そこで、2010年5月にららぽーと船橋店に実験店としてHIPSHOPの1号店を出店しました。どこでもやっていないオンリーワンショップでしたし、我々が初めてというファーストワンでもありました。」
HIPSHOPは単価1000~1300円で、商品回転率が高く、在庫量が命である。リテールDiv.ゼネラルマネージャーの飯塚孝洋氏は語る。「在庫管理や販売管理は当初、エクセルを用いて、手作業で行っていました。ららぽーと船橋店はわずか3坪ですが、商品はSKU単位で4000~5000あります。もちろん、棚卸は毎月、発注のためのSKU単位の販売集計は毎週行っていました。」
その現場での作業負担は大きかった。「棚卸は1日ではとても終わらず、ときには1週間かかることもありました。」とはリテールDiv.アシスタントマネージャーの岩田圭介氏。しかし、そんな状況の中でも、ららぽーと船橋店の売場効率は非常に高く、全370店舗のテナントの中でトップを誇った。
HIPSHOPは1号店の出店から約1年後の2011年4月に2号店を出店する。取締役本部長の伏田勝宏氏は語る。
「多店舗化にあたり、これ以上の手作業は無理だと思い、『アラジンショップ』を導入しました。使い勝手がよく、リアルタイムで全てが見えること、画面がシンプルで柔らかく見え堅苦しくなく、操作しやすいところなどが決め手でした。30店舗までは伸ばしたいという目標からも各店のデータ管理は必須。将来、基幹システムである『アラジジンオフィス』の導入も見据えて決定しました。」
2010年10月に導入を検討し、2011年2月に導入を決定、4月に稼働となった。レジとは別にバーコードスキャナとPCを設置し『アラジンショップ』を導入、入荷から販売までの商品の動きをリアルタイムで確認できるようになった。
以後、震災の影響が濃い中、各地の商業集積でテナント退店が相次ぐことが追い風ともなり、HIPSHOPは1年強で16店舗まで店舗数を伸ばし、全店舗で『アラジンショップ』が稼働している。
第一の利点は商品動向が正確につかめるようになったことだ。「導入後、集計の誤差率が1/10になるまで改善されました。また、データを売場に落とし込みやすくなり、発注漏れも分かるようになりました。直近5週分のデータ比較により、”こんなに売れている商品なのに発注を忘れている”など、本部から店舗に適切にフォローできるようになりました」(ロジスティクスDiv.コントローラー山下悌弘氏)
『アラジンショップ』は現場のオペレーションの効率化へも活かされている。「誰でも分かる画面なので、販売スタッフへの説明も瞬時に終わります。長い時間をかけた研修が必要ありません。また、データを見ながら販売スタッフが考えて仕事をするようになり、スピード感を持って売場を変えられるようになりました」(飯塚氏)
マンパワーでできることは限られる。余計な作業に時間を取られることは、店舗運営や企業運営にとって歪みの元になる。『アラジンショップ』の導入によって、業務効率化を実現し、スムーズな多店舗化ができていることはコミュニケーションの促進にも役立っているという。
今後2013年早々をメドに基幹システムを『アラジンオフィス』へ移管する予定だ。そして、ゆくゆくはデータを中国等の工場と直結して、生産管理システムと連動させて、リアルタイムな動きに合わせて効率的な生産を行うまでにしていきたいとのことである。
会社概要
会社名 | 株式会社プロビジョン |
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代表者 | 五味 純一 |
所在地 | 東京都世田谷区三宿1-13-1 東映三宿ビル5F |
設立年 | 2001年11月 |
URL | http://provision-inc.co.jp/ |